猫の膀胱炎

膀胱炎について

マンクス

膀胱炎の原因

猫の膀胱炎は、細菌感染による膀胱炎、膀胱結石による膀胱炎、また腫瘍(がん)による膀胱炎などがあります。

 

さらには原因不明の特発性下部尿路疾患と呼ばれる病気によっても膀胱炎が引き起こされます。

 

細菌感染は、尿道を通って膀胱内に侵入した細菌によって、膀胱粘膜に炎症を引き起こされます。

 

膀胱結石は、不適切な食事によって形成された膀胱内のマグネシウムやカルシウムの結石が、膀胱を傷つけてしまいます。

 

膀胱の腫瘍は、はっきりしたメカニズムは分かっていませんが、一部の農薬で発がんリスクが高くなると言われています。

 

また、特発性下部尿路疾患は名前のとおり原因不明の膀胱炎ですが、いわゆるストレスが主な原因であると考えられています。

 

もちろん、これらの原因が一つだけのこともありますが、中には複数の原因が重なって膀胱炎を引き起こしていることもあります。

 

猫の膀胱炎の症状

膀胱炎の症状は主に頻尿、血尿、排尿痛などが認められます。頻尿は、日常的な排尿回数よりもはるかに多い回数の排尿がみられます。

 

その多くは「さっきトイレ行ったばかりなのに、またすぐにトイレへ行く」というようなものです。

 

しかし、尿量が増えているわけではありませんので、1回の尿量は少なく、何度もトイレへ行くレベルの頻尿症状では、ほとんど尿が出ていないこともよくあります。
このような、トイレで排尿姿勢を取っているにも関わらず、尿がほとんどでない場合は、頻尿以外にも尿路閉塞など緊急的な状態に陥っていることもありますので注意が必要です。

 

血尿は尿の中に血液が混ざる症状ですが、見た目には、尿全体が赤?ピンク色になる場合や、黄色い尿の中に血の塊のようなものが混ざっている場合などがあります。

 

排尿痛は、見た目では症状を見つけにくいこともありますが、排尿時に痛そうな声で鳴いたりすることが多く、そのような時は排尿痛を疑います。

 

その他にも、尿が異常に臭くなったり、尿の中に砂のようなザラザラしたものが混ざっている、というような症状がみられることもあります。

 

猫の膀胱炎の診断

上記のように膀胱炎の症状は、そのほとんどが尿に関する症状のため、臨床症状の確認と一般身体検査(特に膀胱の触診)、さらには「尿検査」が必須の検査となります。

 

その他にも、細菌性膀胱炎の場合は、細菌培養及び抗生物質の感受性検査、膀胱腫瘍の場合では超音波検査や膀胱造影検査、腫瘍マーカーの検査などを実施します。

 

ちなみに特発性下部尿路疾患は、原因不明のため、確定的な診断方法はなく、これらの様々な検査を実施してその他の病気を除外していくという、消去法的な形で診断します。

 

猫の尿検査の注意点

膀胱炎の診断において、尿検査は非常に重要な検査になるのですが、尿の採取は多くはご自宅でお願いすることになります。

 

しかし、その採尿に関しては、誤った取り扱いを行うと、重大な検査結果エラーにつながることがあります。実際に多いのが、猫砂が混ざった尿や、ペットシーツやスポンジなど吸水性のあるものに染み込んだ尿です。

 

これらはほぼ間違いなく検査結果に大きな影響を及ぼしますので、注意が必要です。

 

また、採尿後、あまりに時間が経ってしまうと、これも検査結果に大きなエラーを与えます。

 

そのため、採尿後は速やかに動物病院へ持っていき、すぐに検査するようにしましょう。

 

ちなみに当院では、採尿後1時間以内、もしくはそれができない場合は、冷蔵庫に保存(冷凍庫は不可)して6時間以内に検査させていただくようにお願いしています。

 

自然排尿での採尿が難しい場合は、尿道カテーテルあるいは膀胱穿刺による採尿を行います。これらは猫に少し負担のかかる採尿方法ですが、その分、より精度の高い検査を実施することができますので、自宅でうまく採尿できない場合だけでなく、精密な検査が必要なときにも有効です。

 

猫の膀胱炎の治療

膀胱炎の治療は、その原因に応じて実施します。

 

細菌性膀胱炎では、感受性検査に基づいた抗生物質の投与、膀胱結石の場合は摘出手術や療法食による結石融解、膀胱腫瘍の場合は、外科手術や抗がん剤療法、放射線療法などが実施されます。

 

また、排尿痛や頻尿症状がみられる時は、対症療法として消炎鎮痛剤を使用することがあります。

 

一方、特発性下部尿路疾患は、有効な治療方法がなく、なるべく生活環境の中からストレスを取り除くようにして、経過観察を行います。通常は1?2週間のうちに改善しますが、中には数カ月の治療期間が必要なこともあります。

 

猫の膀胱炎の管理:お水の重要性

膀胱炎がみられた場合、なるべく早く上記のような適切な診療を受けることが大切ですが、どんな原因でも、膀胱炎の場合にはある重要な管理があります。

 

それは「水分を十分に摂取すること」です。

 

水分を摂取することで尿量が増えます。そうすることで膀胱内部を洗い流す効果があり、細菌や結石の結晶などを減らすことができます。

 

ですので、膀胱炎を発症した場合には、いつもよりたくさん水分摂取できるように工夫をしてあげてください。

 

しかし、摂取するお水には注意が必要です。お水の中のミネラル成分が豊富な「硬水」の場合、多量に摂取することで、余計に膀胱結石のリスクが高くなる場合があります。ですので、お水は必ず「軟水」を使うようにしてください。

 

また、個人的な経験ですが、水道水よりもミネラルウォーターの方が、猫はよく飲んでくれることが多いので、「軟水のミネラルウォーター」を使ってあげることをお勧めします。

 

しかし、ミネラルウォーターの場合は、水道水の塩素のような殺菌成分がありませんので、こまめに取り替えてあげる必要があります。

 

ですので、実際には、よりコストパフォーマンスの良いウォーターサーバーを導入されると良いと思います。

 

猫の膀胱炎は、猫の病気の中でも比較的多く見られ、ただでさえ猫はお水をあまり飲まないため、その管理に苦労する方が多いです。

 

膀胱炎を発送した時には上記のようにしっかりとした治療、管理が大切ですが、普段からの水分摂取をしっかりと意識することで、厄介な膀胱炎の予防にもつながると思います。

 

特にドライフードを使っている場合は、食事からの水分摂取量がわずかしかありませんので、ぜひ、ウォーターサーバーのようなコストパフォーマンスの良い、かつ猫がお水を飲みやすいようなものを取り入れていただければと思います。

 

-記事作成者:フォロン動物病院 獣医師-

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