猫 血便

猫の血便|原因と対策について

サイベリアン

猫の血便の原因

猫の血便の多くは、軟便や下痢を伴っています。

 

中には病気以外の原因として、ゴミをあさって異物を食べてしまい、消化不良や腸閉塞、あるいは中毒を起こしてしまうことで血便になることもあります。

 

また、老齢の猫では便秘がちになり、それが血便の要因になることもあります。

 

血便の病的な要因としては、食物有害反応(食物アレルギーや食物不耐性など)、寄生虫疾患、細菌感染、ウイルス感染、腸管の腫瘍(がん)、炎症性腸疾患、非炎症性吸収不全(リンパ管拡張症など)といった消化管に関係した病気、あるいは肝胆道系の病気、腎臓疾患や糖尿病などの代謝性疾患から二次的に血便がみられることもあります。

 

病的な要因で血便がみられる場合、多くの場合は、体重が落ちて、元気食欲が落ちるといった何らかの症状を伴っていることが多いので、あまり経過観察せずになるべく早く動物病院にかかることが重要です。

 

しかし病気の初期にはなかなか症状には気付きづらいため、血便以外の症状が見られなくても、一度、かかりつけの獣医師に相談することをお勧めします。

 

猫の血便|対策

血便の原因が分かった場合、それぞれの原因に対して治療を行います。

 

食物有害反応であれば、症状を引き起こす原因食材を避けることになりますが、人間のように確立された検査方法が猫にはまだないため、「除去食試験」によって調べていきます。

 

除去食試験では、特定の食材で作られたキャットフードや、理論的にアレルギーとなるタンパク質を含まないキャットフードを食べさせることで、食物アレルギーや食物不耐性を調べていきます。

 

しかし、試験の判定には1?2ヶ月要することも多く、場合によってはさらに時間がかかることもあるため、根気よく検査、治療を続けていくことが大切です。

 

また、寄生虫や細菌などの感染性疾患は、原因微生物を抑える駆虫薬や抗生物質などを投与します。

 

しかしウイルスに関しては、特効薬的な治療薬はないため、輸液などの対症療法を行いながら、インターフェロンなど、免疫力を高める治療を行います。

 

腫瘍はその種類にもよりますが、外科、抗がん剤、放射線治療などを実施していきます。

 

猫の腫瘍の中でも比較的多く見られるリンパ腫(悪性リンパ腫)は腸に発生することもあります。

 

ほとんどのリンパ腫は抗がん剤治療がメインになりますが、腸にできてしまった場合は、外科手術も行うことがあります。

 

炎症性腸疾患や非炎症性吸収不全は、主に免疫異常によって引き起こされる病気と考えられていますが、その原因がはっきりしないことも多く、ステロイドや免疫抑制剤などの対症療法を行います。

 

また、消化管以外の病気では、それぞれの治療を行うことにより、血便を改善させることができます。

 

このように、血便がみられた場合には、なるべくその原因をしっかりと特定して、治療を行っていくことが大切です。

 

しかしいずれの病気にしても、血便がみられるということは、腸に大きな負担がかかっていることには違いありません。

 

ですので、原因治療を行うだけでなく、腸に負担をかけないようにすることも大切です。その方法の一つが、キャットフードの消化性を高めることです。

 

キャットフードは、栄養バランスの優れた非常に素晴らしいフードではありますが、その製法上、どうしても消化吸収が悪くなってしまい、血便を引き起こすような病気を持った猫にとっては、キャットフード自体が負担になってしまうこともあります。

 

また、このような病気では、療法食を使わざるをえない猫も多く、なかなか食事内容を変更したりすることができず、食事で消化性を高めることにも限界があります。

 

ですので、このような猫には、まずは水分摂取をしっかりと行うようにしてあげてください。血便がみられるときは、原因がなんであれ、消化吸収能力が落ちていますので、ドライフードをしっかりと消化させるためにも、十分な水分が必要になります。

 

人間でも普通の白米を炊いたごはんよりも、おかゆあるいはおもゆの方が消化に良いのと同じで、キャットフードも水分を含ませると多少なりとも消化吸収がよくなります。

 

また、食事以外の時間でも、こまめに水分摂取を行うことで、腸管運動をしっかり保つことができます。

 

ですので、血便がみられる猫は、しっかりと治療を行うことはもちろん、水分摂取も意識してあげるようにしてください。

 

猫の水分摂取で大切なのは、いろんなシチュエーションでお水を飲める機会を作ってあげることです。

 

お家の中にも1ヶ所だけでなく、何ヶ所か水飲み場を作ってあげること、またそれぞれのお水も同時に入れたものよりは時間差で入れてあげた方が、こまめに飲んでくれると言われています。

 

また、水分摂取量を増やすにあたっては、水道水よりも軟水のミネラルウォーターが良いとも言われています。

 

中でもウォーターサーバーは、こまめに飲む猫の性質を考えても、そのコストパフォーマンスや衛生面から、猫に適したお水であると言えます。

 

また、血便を引き起こす病気の中には、ワクチンや予防薬の定期投与により、十分に予防できるものもあります。

 

今では、ワクチンの他に、一本の予防薬で、ノミやマダニだけでなく、フィラリアや血便を引き起こす内部寄生虫なども予防できるものもありますので、そういったものを利用すると、手軽に予防できます。

 

血便は一時的なものであれば、そんなに心配ありませんが、症状が続く場合は、何かしら大きな病気が隠れていることもありますので、注意するようにしてください。

 

-記事作成者:フォロン動物病院 獣医師-

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