猫 血尿

猫の血尿の原因と対策

スフィンクス

猫の血尿の原因

猫の血尿の原因は、主に泌尿器系(腎臓、尿管、膀胱、尿道)及び生殖器系の異常によるものです。

 

また、血液凝固異常(血が止まらなくなる異常)によっても血尿がみられることがあります。

 

泌尿器系の異常では、腎盂腎炎や糸球体腎炎といった腎臓の炎症、あるいは尿管結石、膀胱結石といった泌尿器系の結石による炎症、さらには尿道や膀胱に感染した細菌による炎症などによって血尿が引き起こされます。

 

さらには各臓器で見られる腫瘍(がん)によっても血尿がみられることがあります。

 

また、原因のわからない特発性の血尿も見られることがあります。

 

生殖器系の異常では細菌による膣炎や子宮蓄膿症、あるいは平滑筋肉腫といった生殖器系の腫瘍(いずれもメス猫のみに発生します)、オス猫では精巣や前立腺の炎症や腫瘍によって血尿がみられることがあります。

 

また、免疫の異常により血小板が少なくなってしまう病気や、その他の血液凝固因子(出血を止めるための成分)が足りなくなっていると、ちょっとした出血でも止めることができないため、結果として血尿症状を示すことがあります。

 

また、同じような血液のような赤みがかった尿の中には、血色素尿やミオグロビン尿といった血尿とは異なるものもありますので、尿に血が混ざったような状態が見られた時は、必ず動物病院で正しい診断を受けることが大切です。

 

猫に血尿がみられた時の対策

猫に血尿がみられた時には、何れにしてもあまり良い状態ではありませんので、様子を見ることなくなるべく早く動物病院を受診することが重要です。

 

中には、尿路結石症や泌尿器系の腫瘍のように、状況によっては尿の通り道がふさがれてしまい、尿路閉塞という状態になることがあります。

 

尿路閉塞を起こすと、当然排尿ができませんから、体にどんどんと尿が溜まってしまい「尿毒症」という命の危険もある症状が出ることになりますので、決して様子を見ることなく、きちんと診察を受けるようにしましょう。

 

また、受診する際には、尿検査が必須になります。

 

もし自宅で採尿できる場合は、その尿を持参することで診療の参考になることがありますので、受診の前に採尿が必要かどうか、動物病院に確認すると良いでしょう。

 

また、採尿した際には、すぐに冷蔵し(冷凍はダメです)、できれば1時間以内に検査ができると精度も高い結果が得られますので、なるべく早く動物病院で検査してもらうようにしてください。

 

尿は時間が経つとどんどんと性質が変わってしまい、あまり時間が経った尿で検査をすると、本来の結果と違う結果が出てしまうことがあります。

 

また、血尿している時は、頻尿症状(わずかな尿を何度も何度も繰り返す)も併発していることがあるため、採尿が難しいことがあります。

 

採尿しようとすると逃げたり、排尿をガマンしてしまう猫も多いため、こういったケースでも自宅での採尿は難しくなります。

 

そんな時は、動物病院で採尿してもらうと良いでしょう。

 

もちろん、動物病院で暴れてしまうような神経質な猫だと、動物病院での採尿は難しくなりますが、たいていの猫は採尿可能です。

 

動物病院での採尿はほとんどが「膀胱穿刺」という方法で採尿します。

 

お腹の上から細い針を刺して、膀胱から直接尿を採取する方法です。

 

針を刺す採尿方法のため、多くの飼い主様はびっくりされるのですが、思ったよりも安全ですし、また、自然排尿で採取した尿よりも、より正確に検査結果を得ることができます。

 

また動物病院では、尿検査の他にも、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などを用いて、血尿の原因を調べていきます(泌尿器系の病気を精査することはもちろん、生殖器系の病気や血液凝固異常の病気は尿検査ではほとんどわからないため)。

 

もちろん若い猫の多くは、尿路結石症や細菌性膀胱炎など、尿検査で診断できる病気が多く、すべての検査を行う前に、療法食や抗生物質などで治療を行うこともあります。

 

しかし、老齢の猫では、症状が軽くても実は重い病気の初期症状である可能性も否定できないため、できるだけしっかりと検査を受けて診断・治療を受けることが大切です。

 

しかし、これらの検査を行ってもはっきりとした原因がつかめない血尿もあります。

 

実は血尿の原因となる病気の中で、一番多いと言われているのが、「特発性下部尿路疾患(iFLUTD)」と呼ばれる病気で、その名の通り、特発性、つまり明らかな原因がわかっていない血尿なんです。

 

特発性の病気では、その病気を確実に診断できる検査方法はありません。上記のような様々な検査を実施してなお、血尿の原因がつかめない時に初めてiFLUTDと診断されるのです。

 

iFLUTDは詳しいメカニズムも十分にわかっていないため、特効薬的な治療方法がなく、時間をかけて血尿を改善させていく必要があります。

 

このように血尿の原因も様々なため、なるべくきちんと診断をつけてもらうことが重要なのですが、中でも実際の動物病院で多く見られるのが、iFLUTDを含めた泌尿器系の異常です。

 

これら泌尿器系の病気の治療については、もちろんそれぞれの原因に応じた治療を行うことが重要です。しかし、どの泌尿器系の病気でもその管理においては、共通して大事なことがあります。

 

それは、「しっかりと水分摂取すること」です。水分を多く取るとそれだけ尿の量も増えます。イメージとしてはたくさん尿を作って、膀胱や尿道などの泌尿器系を洗い流す、そんなイメージです。

 

とはいえ、なかなか猫はお水を飲んでくれません。

 

ですのでその対策として、ウェットフードを用いたり、ドライフードにお水を入れて食べさせることも有効ですが、手軽に実施できる方法として、ミネラルウォーターを用いる方法があります。

 

私の経験ではありますが、猫は水道水のお水よりもミネラルウォーターを好むことが多いように思います。

 

ですので、水分をしっかりと摂取させたい時は、ミネラルウォーターを試してみてください。

 

もちろん、ミネラルウォーターは軟水を使用しましょう。またコストパフォーマンス的にはウォーターサーバーのミネラルウォーターがオススメですし、近年のウォーターサーバーは衛生面でもしっかりとしていますのでオススメです。

 

-記事作成者:フォロン動物病院 獣医師-

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