猫 嘔吐

猫の嘔吐について|急性・慢性の嘔吐の特長と対処法

ヒマラヤン
猫の嘔吐には「急性の嘔吐」と「慢性の嘔吐」があります。普段は見た目になんともなく元気だったのに、突然吐き始めるような「急性嘔吐」、そして、数日?数ヶ月に一度の頻度で嘔吐する「慢性嘔吐」。

 

今回はこれらについて、考えられる原因とその対策についてお伝えします。

 

猫の急性嘔吐について

急性の嘔吐は、胃や十二指腸に関係する病気以外にも、肝臓や腎臓などが原因となることがあります。

 

また、異物誤飲といった病気以外の原因も多いため、注意が必要です。

 

胃や十二指腸の病気によって引き起こされる嘔吐は、主に急性胃炎や好酸球性胃腸炎などの炎症によります。

 

この炎症の原因には、食事の消化不良や胃腸の運動性の低下、あるいはアレルギーや腫瘍(がん)といったものがありますが、見た目でこれらを区別することはできません。

 

これらは最終的には、内視鏡検査や試験開腹といった特殊な検査によって診断されます。

 

また、肝臓の病気としては、胃腸と同じように胆管肝炎などの炎症あるいは腫瘍によるものもありますが、「肝リピドーシス」という肝臓に脂肪が蓄積することによっても、嘔吐症状が引き起こされることがあります。

 

この肝リピドーシスは、猫に特徴的な病気で、通常24時間以上の絶食状態が続くと、徐々に肝リピドーシスになると考えられています。

 

ですので、猫に食欲がない状態で、2日以上、何も食べさせないで様子を見ていると、それだけで肝リピドーシスを発症してしまうことがありますので注意が必要です。

 

腎臓は、猫で最も多いのが高齢猫の慢性腎疾患です。

 

腎臓の機能が落ちると、様々な老廃物が体に溜まってしまい、それが結果的に胃腸の粘膜を荒らすため、胃や十二指腸に炎症を引き起こしてしまいます。

 

急性嘔吐では、異物誤飲にも注意が必要です。異物によって十二指腸の入り口などが詰まってしまう「腸閉塞」が起こります。

 

その原因にはビニールやタオル、あるいは針など実に様々なものがありますが、猫でよく見られるものに「ひも状の異物」があります。

 

猫はひもで遊ぶのが大好きなため、それを与えていると、知らないうちに飲み込んでしまうことがあります。

 

胃腸に入ったひも状の異物は、たいていその一端が胃腸に引っかかってしまい、途中で流れなくなってしまい、腸閉塞を起こしてしまいます。

 

これら異物による腸閉塞は、食べ物が流れなくなるだけでなく、時間が経つと腸が壊死してしまうこともあるため、なるべく早く動物病院を受診することが大切です。

 

急性嘔吐が見られた時は、猫がまだ若く元気食欲があって、その他に症状がなければ、一食だけ食事を抜いて経過観察しても良いでしょう。

 

しかし、それでも改善しない時、あるいはその他に何らかの症状がある場合は、速やかに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

 

また、嘔吐が続くと簡単に脱水を起こします。脱水を起こすとさらに胃腸に大きな負担がかかりますので、嘔吐があったとしても、お水は飲めるようにしてあげてください。もちろん、お水を飲んでも吐いてしまう場合は、速やかに動物病院を受診するようにしてください。

 

猫の慢性嘔吐について

急性嘔吐の原因ともなるアレルギーや腫瘍などは、最初の頃は症状も緩やかで、「ときどき吐く」だけのこともあります。

 

つまり、ときどき吐くことはあるけど、それ以外の症状はなく、吐いた後も普通に食べたり、遊んだりしますので、ついつい様子を見てしまうことも多いと思います。

 

しかし、慢性の嘔吐もあまりに放置をしすぎると、病気によっては手遅れになることもありますので、嘔吐以外の症状がなくても、なかなか嘔吐が治まらないときは、一度獣医師にご相談なさることをお勧めします。

 

特に猫に特徴的な病気の一つに膵炎があります。

 

一般的に人間や犬の膵炎は、急性の症状として激しい腹痛や嘔吐が見られます。

 

しかし、猫の嘔吐はあまり激しい症状を示すことはありません。

 

それこそときどき吐く、少し食欲が落ちる、そう言った程度ですので、膵炎だと気づかずに様子を見てしまうケースも多くあります。

 

しかし、膵炎も重症化すると非常に危険な状態になることもありますので、なるべく積極的に治療をしてあげた方が良いでしょう。

 

また、慢性の嘔吐でよく見られるものの一つに、「毛玉を吐く」ということもあります。これはどんな猫でもよく見られる症状ですので、その他が元気であればしばらくは様子を見ても大丈夫です。

 

しかし、中には胃炎を起こしていたり、何かしら体に問題を抱えているケースもありますので、吐く回数が増えたり、毛艶が落ちるようであれば、注意が必要です。

 

また、若くて重い病気のリスクもあまり高くない猫の場合は、食事を変更してみることも一つです。

 

例えば、これまでと異なる原材料でできたキャットフードや、消化性の高いフード、あるいは脂肪分の少ないフードやアレルギー用のフードを試してみるのも一つです。

 

しかし、一般的なキャットフードは明確な設計がなされていないことも多いので、フード変更の一つの方法として、動物病院で扱う療法食を試してみると良いでしょう。

 

猫の嘔吐まとめ

急性の嘔吐も慢性の嘔吐も、嘔吐以外の症状を伴い、治りが悪いときは、重大な病気が隠れている可能性がありますので、長い間、様子を見ると病気が重症化してしまうこともありますので、早めに動物病院にかかるようにしましょう。

 

また、様子を見るときには、絶食をしたり、キャットフードを変更したりしますが、特に絶食は、一食以上の絶食で「肝リピドーシス」というとても危険な状態になることもありますので、注意が必要です。

 

また、嘔吐があるときは、簡単に脱水を起こしますので、絶食をするにしても、必ずお水はしっかりと飲めるようにしてください。またこの時のお水はスポーツドリンクなど、特別なものは必要ありません。

 

また、水道水よりもミネラルウォーターの方がよく飲んでくれる猫が多いようなので、コストパフォーマンスも考え、ウォーターサーバーのお水(特に天然水の軟水がオススメです!!)を使ってあげると良いでしょう。

 

-記事作成者:フォロン動物病院 獣医師-

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